安心安全な旅行・宿泊・観光のための密を作らない旅行
いわゆる分散型旅行はオーバーツーリズム対策にもなります。
どういうことか順番にお伝えします。
▽この記事の目次▽
分散型旅行とは?
分散型旅行とは
コロナ禍になって観光庁が観光産業事業者や旅行者に向けて普及させようとしている新しい旅行の形です。
分散型旅行にはいろいろあって
●観光する日にちの分散:週末や連休ではなく、平日など空いている日に旅行をしようというもの。
●観光する時間の分散:早朝など混んでいない時間に観光したり、混んでいたら時間をずらしたりと時間を分散するというもの。
昔からある空いている時間だと安いパッケージ旅行は、空いている時間に観光客を誘導しているので言ってみれば分散型旅行ですね。
●観光する場所の分散:分散型旅行は日時の分散だけではなく、場所の分散も広めていきたいと思っています。
それには観光インフラの充実が必要です。穴場に行くのに交通の便がないとかなかな行くことができません。
有名な観光地だけでなく、マニアックだけど観光客にとっては魅力的な観光素材の開発も必要でしょう。
分散型旅行に関する記事はこちら
~観光庁がすすめる分散型旅行について~
~観光産業の方にも考えてほしい、分散型旅行の課題~
オーバーツーリズム対策とは?
これらの密を避ける分散型旅行の普及はオーバーツーリズム対策にもなるということに気づきました。
オーバーツーリズムってなに?
オーバーツーリズムとは
観光客が押し寄せすぎて環境や地域住民に悪影響を与え、観光客も楽しめなくなってしまう状況のことを言います。日本では「観光公害」と言うこともあります。
オーバーツーリズムとは・観光用語集 - JTB総合研究所 (tourism.jp)
コロナ禍になる前、京都が観光客でいっぱいで住民はバスを利用することができなくなってしまったとか
コロナ禍になってイタリアの有名な観光都市の自然環境がよくなったとか
あれらがいわゆるオーバーツーリズムやオーバーツーリズムの派生的な影響です。
見えきた共通点
オーバーツーリズム対策とは観光客が押し寄せすぎないように工夫することということになります。
分散型旅行は密を作らないようにするための旅行です。
この2つは、もともとのきっかけが違うだけで
人が集まりすぎないように休暇を分散したり、観光客が1カ所に集まるのをなくすように工夫したり
目指す状態もやっていることも同じなんです。
以前読んだ本にも書いてありました
コロナ禍になる前に書かれた本で、
日本の観光は
ゴールデンウィークをはじめとする大型連休に集中している。
そして有名観光スポットに人々は集中している、
と指摘している本を読んだことがあります。
これって今で言う「密になっている」ということですよね。
【私が読んだ本】
『新・観光立国論』デービッド・アトキンソン氏著
『世界一訪れたい日本のつくりかた』デービッド・アトキンソン氏著
本の中に書いてあるデータは少し古いですが、基本的な考え方は参考になるものがあります。
連休にとらわれず旅行する。
有名なところではなく穴場を見つけて旅行する。
まさに今の分散型旅行です。
「密を避ける」分散型旅行は感染症拡大抑止のために始まったものですが、
将来観光客が戻ってきて、またオーバーツーリズムが問題視されるようになっても、
現在普及させている分散型旅行の対応がオーバーツーリズム対策になる部分がたくさんある、そんなことを思った本でした。
空いている、もしくはスムーズに観光できる。それを付加価値にして有料プランを作る。
ということも観光産業にできることかもしれません。
「人気」「安い」だけが観光じゃないなって改めて考えさせられました。
新しい観光をどんどん生み出して、観光で人々や日本が元気になったらいいなー。