観光産業はコロナ禍になる前は日本では約27兆円規模*1の産業です。
2020年の初め頃から世界、そして日本で感染症が拡大し、あっという間にパンデミック(大流行)になりました。
この記事では、あれから2年弱が過ぎた2021年10月~12月の旅行、観光に関する統計情報をお届けします。
▽この記事の目次▽
2021年10月〜12月はどんな時期だったか
2021年10月から12月は
緊急事態宣言が徐々に解除されたり、
大型イベントの制限が少し緩くなったり、明るいニュースが少しずつ飛び交っていた頃です。
医療従事者や高齢者の3回目のワクチン接種が始まり、
感染拡大はおさまるのかなー、このままおさまるといいなーと考えていたものです。私の周りでは、11月に2回目のワクチン接種が終わったという人もいました。感染症対策がじわじわと広がっていた時期でしたね。
2021年ずっと旅行できてなかったけど、この10月~12月にやっと旅行できた!という声もよく聞きました。
一方、年末あたりから徐々に新しい変異株であるオミクロン株が広がり始め、
また行動制限なのか、また旅行できなくなっちゃうのか、生活はどうなるんだろう
という不安を覚えた時期でもありました。
2021年10月~12月の統計情報
では、さっそく統計情報を見ていきましょう。
当ブログの観光産業の統計情報は、旅行者数、宿泊数、消費額を取り上げています。
旅行者数
まずは旅行者数です。
日本人国内延べ旅行者数(2021年10月~12月)※速報値 %は2019年比
宿泊(2019年同期比) | 日帰り(2019年同期比) |
---|---|
4,989万人(▲27.6%) | 3,870万人(▲39.5%) |
7月~9月は2019年に比べて約6割減でしたので、やはり夏より秋の方が旅行に行けたなーという肌感覚通り、約3割減にとどまったようです。
〈月別旅行者数〉
旅行者数 (2019年比) |
宿泊 (2019年比) |
日帰り (2019年比) |
|
2,365万人 (▲41.7%) |
1,242万人 (▲41.4%) |
1,123万人 (▲41.9%) |
|
3,180万人 (▲33.0%) |
1,736万人 (▲27.2%) |
1,444万人 (▲38.8%) |
|
3,313万人 (▲26.2%) |
2,011万人 (▲15.6%) |
1,303万人 (▲38.2%) |
月別に見るとその状況が明らかです。
特に宿泊の旅行をした人は、10月より11月、11月より12月、とどんどん増えていったようです。
訪日外国人数(2021年9月~12月)(※%は2019年比)
17,720人 | ▲99.2% | |
22,113人 | ▲99.1% | |
20,700人 | ▲99.2% | |
12,100人 | ▲99.5% |
訪日外国人数については、相変わらずです。
それもそのはずで、待機期間などの緩和は進められていましたが、観光目的の新規入国は依然として認められていない時期でした。
宿泊数
次に宿泊数です。
延べ宿泊数(日本人)(2021年10月~12月)※第2次速報 %は2019年比)
3,127万人泊 | ▲21.4% | |
3,602万人泊 | ▲11.3% | |
3,868万人泊 | +1.9% |
こちらも同じく2019年比です。
旅行者数と同様10月よりも11月、11月よりも12月と数字が伸びています。
これまでは旅行するなら日帰り旅行で、という方が多かったのですが、
宿泊旅行をした方が多かったんですね。
観光産業を応援している身としてはうれしい結果です(T_T)
しかも12月だけ見るとコロナ禍前の2019年12月より多い宿泊数という結果でした。目を疑って何度も調べちゃいました(^_^;)
延べ宿泊数(外国人)(2021年10月~12月)※第2次速報%は2019年比)
30万人泊 | ▲97.1% | |
34万人泊 | ▲96.2% | |
32万人泊 | ▲96.5% |
訪日外国人は入国できてないので、ほぼないに等しい数字です。
消費額
最後に消費額です。
日本人国内旅行消費額(2021年10月~12月)※速報 %は2019年比
宿泊(2019年同期比) | 日帰り(2019年同期比) |
---|---|
2兆5,899億円(▲33.9%) | 7,388億円(▲33.5%) |
宿泊旅行が増えると、旅行消費額も増えますね。
旅行消費額が増えないと観光産業は潤わないので、これもうれしい結果です。
とはいえ、2019年に比べて約3割減ですから、もっともっとがんばらないとですね!
訪日外国人消費額(2021年10月~12月)※試算値
訪日外国人消費動向についてはここのところずっと調査を停止していましたが、調査範囲を縮小した形で再開されました。
有効回答数も以前に比べて少なく、試算値ということですので、比較はできませんが、何はともあれ調査を再開したということ自体がまずは明るいニュースですね。
ちなみに訪日外国人には観光・レジャー目的に加えて、ビジネス目的や親戚・知人訪問目的で日本を訪れた外国人も含まれています。
【参考にしたサイト】
訪日外客統計(報道発表資料)|統計・データ|日本政府観光局(JNTO)
宿泊旅行統計調査 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
旅行・観光消費動向調査 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
訪日外国人消費動向調査 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
まとめ
2021年10月から12月は明るいニュースもありましたが、12月頃からからオミクロン株の足音が聞こえてきて、また暗い世の中になるのか不安でどきどきしましたね。
観光産業としては、1年の中ではもっともが潤った時期にはなりました。
2021年のまとめ(年間統計情報)
2021年の統計情報が出そろいましたので、年間の情報をまとめておきたいと思います。
旅行者数
日本人 | 2億6,821万人 | 2019年比 ▲54.3% | 2020年比 ▲8.6% |
訪日外国人 | 245,900人 | 2019年比 ▲99.2% | 2020年比 ▲94.0% |
宿泊数
日本人 | 3億1,076万人泊 | 2019年比 ▲35.3% | 2020年比 ▲0.2% |
外国人 | 421万人泊 | 2019年比 ▲96.4% | 2020年比 ▲79.3% |
消費額
日本人 | 9億1,835億円 | 2019年比 ▲58.1% | 2020年比 ▲7.9% |
外国人 | 1,208億円 |
(外国人の消費額は1月から9月まで調査停止。10月から12月は一部調査を再開。そこからの試算値)
コロナ禍以前に比べて、まだ半分にも満たない1年でしたね。
果たして2022年以降はどうなるのか。
2022年1月以降の統計情報もそろそろ出そろいそうなので、そちらはまた記事にしたいと思います。
*1:2019年の消費額より