〜「観光まちづくり」事例から学ぶおすすめの本〜昼神温泉ナイトツアーができるまで
昼神温泉のナイトツアーをご存知ですか?
とても人気のツアーで、このツアーに行きたいから昼神温泉に泊まるという人もいるほどなので、行ったことある方も多いのではないでしょうか。
昼神温泉はは今でこそ人気の温泉地ですが昔は、観光客がどんどん減少し、宿泊料金も低価格競争になり、まちの人は困り果てていた温泉地でした。なんとかしなくては!ということで誕生したのが「日本一の星空ナイトツアー 天空の楽園」です。
今日は、このナイトツアーが生まれそして人気になるまでの裏話が書いてある本をご紹介します。
昼神温泉以外にも成功事例がたくさん紹介されているので、まちづくりで悩んでいるの人は読んだら解決の糸口が見つかるかも!?今は悩んでいない人もまちづくりの勉強になる本です(◠‿・)—☆
▽この記事の目次▽
ご紹介する本
今日ご紹介する本は
『まちづくりDIY 愉しく!続ける!コツ』
(著者:土井 勉、柏木千春、白砂伸夫、重野英憲、西田純二 発行:2014年2月)
という本です。
「まちづくり」と「観光」って関係あるの?という声が聞こえてきそうですが、あるんです。
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まちづくりってなんだろう
「まちづくり」と聞いてあなたはどんなことを思い浮かべますか?
- 町並みを整備する
- 観光施設をつくる
- 特産品をつくる
- 交通機関を整備する
などなんとなく県とか市とかがやるもの、大きな企業がやってくれるものというイメージではないでしょうか。
まちづくりは、福祉のまちづくり、交通まちづくり、景観まちづくり、観光まちづくり、防災まちづくり、まちづくり会社、まちづくり条例など様々な意味とと使われ方をしているストライクゾーンの広い言葉である。(『まちづくりDIY 愉しく!続ける!コツ』より)
と、この本の中にも書いてありますが、どこか大きなことのイメージですよね。
DIYとは
本の題名に「DIY」という言葉が入っています。
聞いたことある言葉ですが、改めて辞書を引いてみました。
《do-it-yourself》しろうとが自分で何かを作ったり、修繕したりすること。日曜大工。ドゥイットユアセルフ。
[補説]第二次大戦後のロンドンで、廃墟に立った元軍人たちが「何でも自分でやろう」を合い言葉に町の再建に取り組んだのが始まりとされる。 (goo辞書)
だそうです。
誰かに頼むのではなく「自分でやろうよ、やってみようよ」ってことですね。
まちづくりは「官」だけじゃない
で、「まちづくり」と「DIY 」ということなので
「まちづくりだって自分でできる」、「あなたにもできることがあるのでは?」ということです。
- 今あるモノを生かす。
- 結びつける。
- 地元の飲食店のマップをつくる。
- 花を植える。
そんなことでいいんじゃない?ってことです。
DIYって言うと、どこか楽しそうですしね。楽しくなきゃ長続きましません。持続可能なまちづくりってわけです。
本のおすすめポイント
そもそもこの本は学芸出版社という建築やまちづくりに関する本を出版している会社から出されています。観光、まちづくり、交通などとても興味深い本をたくさん出版されている出版社さんです。
まちづくりについて長けているわけです。
●事例がたくさん
この本では全部で18の事例が紹介されています。
写真や図、グラフや地図なども入っていています。例えばまちづくりの過程で作ったチラシやポスターが載っています。わかりやすいし、自分が抱えているまちづくりにも応用しやすいですね。
事例は大きなものから、え、こんなことでまちづくりって言える?という小さなことまで幅広いので、どれかしらは参考になるのではないでしょうか。
●課題とコツ
それぞれの事例の課題と解決までの道のりが紹介されていて
「まちづくりのコツ」というポイントも書いてあります。これも参考になりそうです。コツも大きな話ばかりでなく、明るく!とかそういうことまで書いてあるので気負うことなく読むことができます。
まちづくりの事例
この本に載っている事例18例のつち、観光に関わりがありそうな「観光まちづくり」の事例は、DD的には7例かな。その中の一つが冒頭でご紹介した昼神温泉ナイトツアーです。
昼神温泉ナイトツアーができるまで
年々観光客が減ってきた昼神温泉ですが、日本一の星空で有名な阿智村のナイトツアーで有名になり、今や多くの人が訪れる場所に変貌を遂げた昼神温泉です。
だれが考えたの?そもそも仕掛け人がいるの?自治体?企業?
いったいどうやって?
何に苦労したの?どんな工夫をしたの?
そんな昼神温泉ナイトツアーの誕生までの話が知ることができます。
(昼神温泉についてはこちらの記事でも紹介しています)
こんなにいろんな人が関わってきたんだな
念入りに練られた物語があるのか
人気になっても続けるブランディング
そんなことをがとても勉強になったし、刺激にもなりました。
そのほかのまちづくりの事例
昼神温泉ナイトツアー以外の事例にも少し触れておくと
この本では5つの視点で事例が紹介されています。
Ⅰ 楽しく元気にDIY
雑談からはじまった手づくりの特産品づくり
楽しみながら仕立てた星空ナイトツアー
まちづくりはバラで楽しく美しく
音楽のチカラでまちを変える
Ⅱ 美しく美味しくDIY
観光と商店街を結ぶ名物料理をつくる
農家の庭に学んだコミュニティガーデン
旅館に泊まりまちのおいしさを楽しむ仕掛けづくり
Ⅲ 工夫を重ねてDIY
電動自転車でかしこくまちづくり
思い込みを解消し自発的なバス利用促進を実現
官民連携による手づくりのバス利用促進プロジェクト
Ⅳ ビジネスからもDIY
放置自転車が消えていくビジネスモデル
ホテルが国道にプロムナードを建設
商工会だからできた地方駅のデジタルサイネージ
Ⅴ 未来に向けてDIY
ICTの活用で村全域をまるごと博物館に
農村の暮らしから「思い」を伝える村
都市ブランド創造に取り組むネットワーク組織
わかりやすい政策目標と見える化でまちを引っ張る
(『まちづくりDIY 愉しく!続ける!コツ』より)
どうですか?
何か興味のある事例は見つかりましたか?
このように抜粋して並べるといったいどこの地域のことを言っているんだろうって思いますね(^_^;)
それは読んでみてのお楽しみっていうことで(^_^;)
観光まちづくりのほかにも
「訪れてよし 住んでよし」の「住んでよし」の視点も入っているっています。持続可能なまちづくりのためには必要なことですね。住みやすい街じゃないと観光で行く街としても長続きしませんから。
こんな人におすすめ
まちづくりに携わっている人、まちづくりに興味がある人におすすめです。
まちづくりと言っても幅広いですよね。
そもそもまちづくりっていうと自治体が行うものっていうイメージがありますが、そんなことないんだと思わせてくれる本なので
- まちのなにを”ウリ”にしたらいいのか
- どのようにアピールしたらいいのか
- どんな手順で?
- 失敗したら?
など尽きない悩みに寄り添ってほしい方
まちづくりについて考えてみたい方
はぜひ一度手に取ってみてください。