MaaSという言葉をご存知ですか?最近、日本でも耳にするようになった言葉なのでご存知の方も多いのではないでしょうか?
そんなMaaSについてよくわかる本を読んだのでご紹介します。
▽この記事の目次▽
ご紹介する本
今日ご紹介する本は
『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』
(著者:牧村和彦 発行:2021年3月)
という本です。
MaaSとは・・・
そもそも「MaaS」ってなに?という方のために少しご説明します。
「MaaS」は「マース」と読みます。
「Mobility as a Service」の頭文字でMaaSです。直訳するとサービスとしての移動といったところでしょうか(^_^;)
こう見るとなぜMとSが大文字で、2つのaが小文字なのかよくわかりますね。
えー、つまり、どういうことかというと(^_^;)
MaaSとは、従来の自家用車や自転車などの交通手段をモノで提供するのではなく、サービスとして提供する概念
(『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』より)
とこの本の中に書いてあります。
概念なんですね(^_^;)
さらに
MaaSは、スマートフォン一つでルート探索から予約、決済、発券まで行え、「移動の所有から利用へ」を一つのパッケージとして商品化した、究極の交通サービスである。
(『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』より)
ほー、なるほど。
最近、
バスや電車、タクシーの予約、決済、発券ができる新しいサービスやアプリを見たことありませんか?
あれですね。少しイメージわきましたか?
ざっくり、こんな本
では本の話に戻りましょう。
この『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』(楽天ブックス)という本は
MaaSが世の中に浸透すると、移動や街がこんなふうに変わる
ということがいろんな角度から書かれています。
聞いたことがある言葉たち
本の中には
- シェアサイクリング
- 配車サービス
- 自動運転車
- オンデマンド交通
- バス優先レーン
- 電動キックボード
など一度は聞いたことがあるような流行りの言葉がよく出てきます。
つまりMaaSが広がった世界とは
このような新しい移動が広がった世界、と言うことができます。
さらに外国には「路肩マネジメント」というものもあるらしいです。
配車したタクシーやシェアリング用の乗り物に乗る場所、降りる場所をどの路肩に配置するか、乗降場所によって人々の行動は変わります。そんな路肩の空間マネジメントが今後は重要になってくるんですって。道路も街もデザインが変わるんですね。
かなり未来の世界な気がしてイメージするのが難しいですね。
この本を読んでいるとそんなはるか未来の世界が、実はすぐ目の前までやってきていると感じて、わくわくしてきます。
本の構成
第1章 MaaSの本質とは
第2章 都市が抱える根本的課題
第3章 MaaSが都市空間を再定義する
第4章 アメリカのMaaS先進都市
第5章 欧州のMaaS先進都市
第6章 日本での実装をデザインする
第7章 withコロナ時代のMaaS
(『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』より)
アメリカやヨーロッパではすでにどのような街があるのか具体例が出てきます。こんな便利な世界がすでにあるんだなーということがわかります。
一方、日本の現状についても触れ、筆者の考えが述べられています。
日本は道路規制もあったりと難しく、まだまだだな、という印象です。
ちなみに
国土交通省も比較的わかりやすく
近い将来こんなふうになるよ、というビジョンを発表しています。
道路:ビジョン:意義・目的 - 国土交通省 (mlit.go.jp)
動画もあります(^^)
日本も考えていないわけじゃないんですよね。
デジタル化が進んで
チケットの買い方などいろいろ変わった。これからどんどんキャッシュレスやチケットレスになるでしょう。
さらに働き方も多様になってきたから定期券を持っている人が減り、いつも同じ電車やバスに乗る人の割合も減るのではないでしょうか?
駅や改札、乗り場だって駅前ロータリーだって変わっていい、そんな時代がやってくるんですね。
ちなみにMaaSが広がった世界では
すべての移動サービスはポケットの中にあるんですって。
で、誰でも同じような移動サービスが受けられるとのこと。
生まれたときからインターネットやスマホが当たり前という世代にとっては便利だよね。けどそれってスマホがないと移動できなくなってしまうのかな。
これからはスマホ操作ができない人にとっては、逆に生きづらい世の中になってしまわないか心配です。日本は高齢化社会の課題先進国って言われているから、新たな課題にも立ち向かっていかないといけないですね。
こんな人におすすめ
MaaSという言葉を聞いたことはあるけど、いったいなに?という方
この本を読むと
MaaSで私たちの暮らしがどのように変わるのか、
MaaSが世の中に浸透すると街が、移動が便利になるのかがわかります。
写真や絵もあるので、とイメージしやすいのもこの本の特徴です。
仕事でMaaSと関わり始めたけど、何をすればいいのかまだぼんやりしている方
とりあえず日々の仕事はこなしてみてるけど、そもそもなんだっけ?と時々不安になる方
MaaSってアプリでしょ?デジタルとかITとか難しいなーと思っている方
最初にも書きましたが
そもそもMaaSは概念でアプリやWebサイトはMaaSのプラットフォームです。ルート探索、予約、決済、発券がスマホでできる、という部分からアプリをつくればいいんでしょ、サイトが便利ならいいんでしょってなってしまう人がいます。
けど、なんかちょっと違う気がするな。
もっとご自身の仕事を俯瞰して見てみてください。
あなたが関わっているMaaSを利用すると、どんな暮らし、街、移動になるのか考えてみましょう。アプリやサイトをデザインするとより、移動そのものをデザインするというくらいの気概が必要でしょう。
そんなことを考えたり、学ぶのにこの本はうってつけです。
観光産業とMaaS
暮らしや街や移動がどのように変わるか、と書きましたが
世の中には観光型MaaSというものもあります。
観光産業である交通事業者が中心になってつくっていることが多いですが、
移動だけでなく、入場や食事なども一緒に予約、決済してそのまま観光施設を利用することができるのが観光型MaaSです。
観光型MaaSの場合
利用者の観光がMaaSによってどのように変わるのか、ということになります。
MaaSはスマホひとつあればストレスなくい移動できるサービスなので
観光する、旅行に行くときに何がストレスなのか考えてみてください。
私の場合は・・・
- 旅行かばんやお土産などの荷物を運ぶのが面倒
初めて行くところは
- 行きたいところまでの道がわからない
- 駅やバス乗り場、タクシー乗り場がわからない
- 乗り換えや乗り継ぎが面倒
- バスはバス会社によって、後払い・先払いが異なる
- 交通系icカードが使えるところと使えないところがある
などいろいろストレスです。
他には、観光施設でも
- チケットを窓口でいちいち買うのが面倒
- 予約する際も施設それぞれの予約サイトにいくのが大変
こんなストレスがMaaSで解決できたらいいですよね。
そしたらより楽しい観光や旅行になるのではないでしょうか。
またMaaSは多くのデータを取得することも可能ですので、混雑状況を共有することもできます。ウィズコロナ時代に持って来いですね!
この点については『MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線』(楽天ブックス)
の第7章にも書いてあります。
日本初の観光型MaaSとして知られているのが、東急などが開発しているIzuko(イズコ)です。その開発について書かれた『MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る』(楽天ブックス)という本は、MaaSってなに?という状態から日本初の観光型MaaS開発のドキュメンタリー本です。
まさに今、観光型MaaSに取り組んでいる方にも参考になるものが詰まっているのではないでしょうか。
こちらもおすすめです(^^)
「MaaS戦記」
「MaaSが都市を変える 移動×都市DXの最前線」